eyelessfish


愛しているからこその行為の中で
それでもぼくはどうしても嫌なことがあって
痛いから嫌だってはじめて言ったら
すごく悲しそうに小さくなって彼女は寝てしまった。
最初に言わなかったぼくが悪いの。ごめんね。
と、いう気持ちを込めて
朝何も言わずに抱き締めた。
彼女の腕はぼくを受け止めたけど
身体は半分だけ預けていた気がするなあ。

本当に小さなことで彼女の心はぐるぐるまわって揺らぐ。
ぼくはそれがかわいそうで、消えてしまいたくなる。
それでも唯一無二な存在であることが幸福なんです。
と、誇らしげにされては、ぼくは何も言えやしない。
何もできやしない。
ただそばにいる。できるだけ。少しでも。
そうやって紡いでいくしかない。

幸せで、それがなんだかつらくて
何も言わずに抱き締めているときも
ぼくは泣きそうになった。



安堵の空気でいっぱいになった部屋に
今日は帰らない。



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