eyelessfish
2017.09.13_00:17



ぼくが昼間、お菓子ばっかり食べていることがバレている。
お菓子の包み紙ばかりゴミ箱に捨ててあるからだ。
シリアルバーとか、カロリーや栄養が取れるお菓子がちょうど良いやと思って食べている。

みんながゴミ箱を見て、
ヒトのことをあれこれ思い、
あれこれ言うことに驚く。
捨てたものを拾う。
その動作とは違うけれど、
確かにぼくが捨てたものを目で拾い上げる人がいるのだ。

ぼくは捨てた。
昼間においしいご飯を食べること、
そのためにおいしいご飯を作ること、
その努力や楽しみも。

なのに、それらを拾い上げる人がいる。
おいしいお弁当を作ってきてぼくに食わせる。
または、何か美味いものを買ってきてくれる。
ぼくは捨てたものを再び手にする。
一人では生きられないってこうゆうことなのかと実感する。
甘い卵焼きとか、味の染みた肉巻きとか、
そうゆうものを食べてヒトの幸せが伝染する。


天気のいい日、
野良猫と向き合ってお菓子を食べていると、
自分にもくれるのかと思って、
三毛猫と黒猫がお行儀よく目の前で座り、
もらえるのを待っている。
ぼくはポケットから、
彼らのための袋を開けカリカリを与える。
食べ終わると何度も口の中を舐めて、
そして毛づくろいを始める。
どうやら幸せは猫にも伝染するらしい。
満足気である。

もっと幸せにしてあげられたらいいのに、
できることは限られている。
自分が十分に幸せでなければ、
自分以外の人を幸せにすることはできない。
明日もぼくは昼間にはお菓子を食べて、
猫にはカリカリを少しあげるだけだ。
その日々が続く、このままではね。


今日、久しぶりに会ったらとっても疲れている彼女を見て、
ぼくが彼女の一番大切な時期を奪っていたんだと思った。
あの時他の人生を選んでいれば結婚も家庭を持つこともスムーズだったはずだ。
それで、
自分もとても疲れていることに気づいた。
あの時捧げることだけが生き甲斐で
大切なものを簡単に捨ててしまったんだと思った。
あの時お互い失ってばかりだったんだって思った。

でも、その考えはやめた。
あの時一緒にいることができたから
幸せだなって何度も感じることができたし、
ぼくは強くなれた。大人になれた。
そう思う。

一緒に過ごしたあの時間と、
離れ離れになったこの時間を無駄にしてはいけない。
彼女と久しぶりに会う時は幸せが伝染するぐらいでなければ。

このままではいけないと思う。
そんな衝動に駆られている。
でも慎重に、自分は変わらなければいけない。

ヒトを傷つけたくない。
誰かを幸せにするために
幸せになりたい。


30歳まであと1年半。
それまでにやることを決めた。
決意表明。


あ、証人になってしまいましたね。









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2017.09.04_00:37


戻りたい。 自分の居場所
稼ぎたい。 〜のために
休みたい。 考えるのも休みたい
遊びたい。 もう一度過ごしたい
役に立ちたい。 必要とされたい


初めて、こんなことを一度に思う。




今日、休憩中の散歩で、
自販機で見つけたミルクコーヒーを買って飲んだ。
名前も忘れた同級生が、
「私、これならコーヒー飲めるんだよね!」
と、嬉しそうに飲んだ缶コーヒーだ。

味気ないのに甘みが強くて、
ミルク感もあまりないけれど、
ゴクゴク飲んだら
なんだか爽やかな気持ちになった。

缶コーヒーといえば、
前にも言ったことがあるかもしれないけど、
すごく寒い日、
暖かい缶コーヒーを、
そのとき一番夢中な人にあげたら
「缶コーヒーがダメなんだよね。」
って言われてなんだかショックだったことがあった。

手に持った時は熱すぎるくらいなのに、
そのうち心地よい暖かさになり、
いよいよ口に含んだときのホッとする。
この有り難さを、
この人とは共有できないのか。
という寂しさだった。


そんなことを思い出しながら
休憩から戻ったら、
缶コーヒーをもらった。まさか。


冷蔵庫に入っていたキンキンに冷えた微糖のやつだ。

「もらったんだけど、口に残るから嫌いなんだ、缶コーヒー。」


一気に飲んだら冷たくて、
こめかみがキーンと痺れるくらい、
それでもすごくうまかった。


舌に残る甘みと苦味。
どちらも恋しいからまた飲むかもしれない。
苦くても欲するのはなんでなんだろう。






できることならば























【ドラマの中に入りたければ、
ドラマを見ながら寝るということ】






この人、文の方が好きだな。
そう思って、
夜中の最後のメールを噛み砕いて噛み砕いて読む。
もう一度だけ返事をしたい気持ちを抑えて、
一文字一文字を大切に読む。

「夢で行けるといいですね。」

そうやって言ってくれたから、
勇気を出してメールをしてよかった。
この気持ちを共有してよかった。

光に誘われてゆらゆらと深い海を漂う。
そんな夢に行けたらいいな。



(文字で落とせますよって、明日教えてあげよう。)








アパートの共用部の入り口、
入ってすぐの隅っこで茶色い蛙が固まっていました。
深呼吸をして身体を休めていました。
いくら蛙でも、
この台風の雨風には
さすがに息が上がったのでしょうか。
この蛙、きっとぼくが運転する車の前を横切った蛙です。
ヘッドライトに照らされて、
跳躍し体を伸ばしきったその姿は白く輝いていました。


ぼくはすっかり疲れてしまって、
近頃世の中のことがどうでもよくなっておりました。
たまに、誰のことも自分のこともどうでもよくなる気持ちです。
ノロノロ台風がもう近くまで来ていることも知らなかったのです。

台風が今日来ることを聞いて、
職場の近くでまた生まれてしまった
子猫たちのことを心配して、
あの小さな子猫たちは大丈夫でしょうか?
と、店長にたずねました。


「あなたより、
自然で生き抜いてる猫のほうがどうするべきかわかってるでしょ。」


・・・・


一生懸命生きていないのに、
いつも助けを求めている自分。



スカーンッとやられましたな。



近頃わがままになっていたと思うので、
明日からリセットし、
いや、今からリセットし、
恩をしっかり返したいと思います。



花火に興味ないふりをするのは辛かったな。


まめにまめに生きていれば、
いつか花火大会にも行けるのかもな。








玄関のドアを開けたら足下にセミがおりました。
ひっくり返っていて、間も無く命を終えるところでした。

何かを掴むように柔らかく足を揃えて仰向けになったセミを
そっとまたいで仕事に行きました。


ああ、セミかあ。夏だなあ。
そうしみじみと感じた途端に、
ぼくの眼鏡に夏のフィルターがかかったようでした。

暑い。
風がぬるい。
緑が青い。
日差しが鋭い。
夏だ。夏だ。夏なんだ。

そんな風に。


いつもいつも通る道を歩いていると、
ふと疑問が湧いてきました。

セミって7月も半ばにならんとおらんの?
この辺はあんまりいないのか?
この時代はあんまりいないのか?


セミっていつから鳴き出すんだっけ?
ーその時でした。

「ミーン ミーン ミーン」


住宅街の家と複雑な電線の隙間から、
あるいは、
開かれた道の熱さで揺らぐ景色の向こう側から、
あらゆる方向からセミの鳴き声が聞こえてきたのです。



この世界には聞こえていない音(声)があるんだ。
聞こうとしなければ聞こえない音(声)があるんだ。


夏の眼鏡が捉えた景色に音が生えた瞬間、
ぼくの世界が賑やかになりました。




この感覚、
ねえねえあのさって、
口にして説明できたらいいのに、
それはできないんですねきっと。